佐久川 政一

教員紹介

その他 名誉教授

佐久川 政一 (SAKUGAWA Seiichi)

所 属その他名誉教授
専 攻民事訴訟法、憲法
生年等1933年 生
最終学歴 ニューヨーク大学ロースクール大学院LLM 修士課程終了
研究・教育

 佐久川政一先生は、大学で憲法や「平和と人権」について講じ、1989年から1995年まで2期6年の間、第13代・14代学長として沖縄大学の先頭に立たれただけでなく、沖縄の地に根ざした平和運動を一貫して続けて来られました。そうした先生の生き方を「わたしの歩んだ道」(『下勢頭誌・戦後編』2005年8月、361頁~372頁)として先生が自ら執筆されたものから抜粋し以下に紹介させていただきます。

「平和と人権」の確立をライフワークとして

 わたしの歩んできた“来し方行く末”を見つめるとき、わたしの人生はこの平和と人権に呪縛されている、と言えるかも知れない。少年時代に受けた忠君愛国の皇民化教育、軍国主義教育、多くの尊い生命を奪った沖縄戦の体験、27年にも及ぶ人権無視の苛酷な米軍統治、復帰したとえいえども変わることのない米軍基地の実態等々から帰結していえることは、これらがすべて非合理的、非人道的、平和と人権を保障する憲法に背反するという意味で反憲法的だということである。“憲法を学ぶ”ということは、憲法を単に知識として学ぶということではない。整合性のある解釈ができればすべてよしということではない。“論語読みの論語知らず”であってはならない。ルソーも言う如く、憲法は心に刻まなければならないのだ。憲法第12条は、国民の不断の努力によって自由や人権を維持せよとある。憲法は知識として学ぶことも大事だが、それ以上にそれを具現すること、実践することがもっと大事だということである。

 そういう観点からわたしは多くの反基地闘争、民主教育運動、情報公開条例の制定促進活動、憲法講演、日朝友好運動等々に取り組んできた。2004年5月17日の「普天間基地包囲大行動」では、98年に続いて実行委員長をつとめたが両行動とも1万6千余の大衆が結集して成功した。2000年7月20日の「カデナ基地包囲行動」も代表をつとめ成功させた。わたしの行動の価値基準は、戦争につながるものはすべて拒否することにある。最近の沖縄基地は中東への出撃基地となり、正当化され難い戦争により、多くの市民の命を奪い、回復し難い程の物的損害を生じさせている。それのみか治安の悪化により泥沼状態から脱しきれず国自体が壊滅状態である。沖縄の基地は米軍の戦争に加担していることになるのではないか。最近取り組んでいる基地問題として、「基地の県内移設に反対する県民会議」が数年前に立ち上げられ、わたしはその共同代表をすることになり、那覇防衛施設庁に平和運動センター加盟の労組員らとともに抗議行動に押しかけることもしばしばである。これも最近のことだが「地位協定の改定を実現するNGO」を立ち挙げるために準備段階から設立に至るまでの計画にも参加し、その理事になった。

 (中略)やはり日本国憲法の戦争放棄、非暴力的紛争解決こそ21世紀に人類が追求すべき思想であらねばならない。琉球王国の先人たちも数百年にわたり、交易を通して善隣友好外交を結びながら、国を維持してきたのである。わたしの余命いくばくかは知らないが、わたしを育んでくれた郷土・下勢頭と郷友の皆さんに感謝しつつ、これまで歩んできた道を歩みつづけようとのおもいを深くしながら筆を擱こう。