玉木 千賀子

教員紹介

人文学部 福祉文化学科

玉木 千賀子 (TAMAKI Chikako)

所 属人文学部福祉文化学科
専 攻ソーシャルワーク、高齢者福祉
学位(発行機関)修士 琉球大学大学院人文社会科学研究科 応用法学・社会科学専攻
生年等1965年生
モットー一歩ずつ前に進む
研究活動

 人が生きる力を高めるための相談援助のありかたについて、特に高齢の人びとに焦点をあてた研究をしています。これらの仕事や研究への関心のはじまりは祖父母との生活体験にあります。

 私の両親は共働きで、幼い頃から一緒に暮らしている祖父母に面倒をみてもらい、多くの時間を過ごしました。祖父は私が小学生の頃には病気がもとで生活に手助けが必要な状態にあり、祖母が家で介護をしていました。はじめの頃、祖父は自分で歩くことができていましたが、次第に一日の大半を寝て過ごすようになり、意識のない状態になって病院で最期を迎えました。社交的で好奇心が旺盛だった祖母は、友人が多く、老人福祉センターの教養講座を楽しみにして通っていました。祖母は私が大学を卒業して間もなく、急性の病気のため短い療養生活を経て亡くなりました。このような祖父母との生活や別れの体験は、老いるということがその人や親しい者にとってどのような意味をもつのかということを考えるきっかけになり、いのちが終わりを迎えるまでの暮らしは、その人の考え方や家族などの周囲との関係によって変わるのだということを教えてくれました。

 教員になる前の病院や在宅介護支援センターのソーシャルワーカー、ケアマネジャーの仕事では、心身の老化や病気のために生活のしづらさを感じながら暮らしている人、身近に頼ることができる人がいないために不安や寂しさを感じながら暮らしている人など、多くの高齢の人びととの出会いがあり、それらの人々の利益により結びつく仕事ができるようにという思いを強くもち、自分自身の相談援助の力量を高めることに努めてきました。

 現在は、研究や教育をとおして、ソーシャルワークを利用する人びとの支援を行うという間接的な支援者という立場にあります。目下の研究の関心は、社会福祉士やケアマネジャー等の相談援助職の実践力を高めるためのサポート(スーパービジョン)のあり方とクライエントの困難な経験についての「語り」をソーシャルワークの視点からどのように意味づけるのかということです。

 スーパービジョンに関しては方法論が先行し、ソーシャルワークの価値の重要性の認識や知識・技術の定着など、スーパービジョンの前提の重要性についての認識が不十分なまま展開されているのではないかという懸念があり、その点の現状・課題を分析しているところです。

 また、ソーシャルワーカーはクライエントの考えや、解決を必要としている生活上の課題を理解するために、クライエントに語ってもらいます。その語りにソーシャルワーカーが深く向き合うことでみえてくる、語りに含まれる深い内容や、クライエント、ソーシャルワーカーにとっての語ることの意味を探求していきたいと考えています。

教育活動

 相談援助の基礎的な考え方や態度を学ぶための「相談援助の基盤と専門職」、高齢者の支援に用いられる制度とその活用を学ぶための「高齢者に対する支援と介護保険制度」、相談援助の方法を実践的に学ぶための「相談援助演習」などの講義を担当しています。

 これらの講義・演習では、人が困難に直面しているときに、それを支えることができる専門職としての自己の養いができるよう、他者を受け止め、助け合う関係をつくることのできる真摯な姿勢、柔軟な思考と活動、専門職の「卵」として、ひとりの市民として、福祉の課題や制度・サービスを社会に発信できる力を培うことを考えた教育に取り組んでいます。

所属学会

日本社会福祉学会、日本ケアマネジメント学会、日本老年社会科学会、等

学外活動

地域包括支援センターの社会福祉士や主任介護支援専門員等と事例検討会の企画や実施、相談援助職を対象とした援助理論・技術の研修等の活動を行っています。

著作・論文
  • ○沖縄における団塊世代男性の地域活動への参加と生きがいー高齢期に移行する時期からの地域生活への支援のあり方を考えるー(共著)地域研究(沖縄大学地域研究所)第11号 2013.
  • ○高齢者の幸福感に関する調査結果(共著)地域研究(沖縄大学地域研究所)第8号 2011.
  • ○戦争体験のある高齢者のエンパワメントに関する一考察(共著)九州社会福祉学会 第6号 2010 等