樋口 耕太郎

教員紹介

人文学部 国際コミュニケーション学科

樋口 耕太郎 (HIGUCHI Kotaro)

所 属人文学部国際コミュニケーション学科
専 攻観光学、事業再生、国際金融
学位(発行機関)ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネス 経営学修士(金融学)
生年等1965年2月27日
モットーいま、愛なら何をするだろうか?
略 歴

 1989年野村證券株式会社入社。ニューヨークおよび東京の投資銀行部門にて、不動産金融・証券化・マーチャントバンキングの専門家として約12年間勤務。2001年より、当時JASDAQ上場を果たしたばかりの不動産トレーディング会社、株式会社レーサムの共同経営者として金融部門を統括する。戦略的新規案件のほぼ全てを立案・実行し、中古不動産の売買会社に過ぎなかったレーサム社を、3年前後で業界最大手(当時)の先端的不動産金融グループへと成長させ、自らも同期間のグループ連結経常利益合計300億円の3分の1を生みだす。日・米において10年間にまとめた事業・案件のほぼ全ては、「日本初」、「業界初」の先端的案件であり、500億円の資産を対象とした平均投資収益率は、レバレッジを殆ど使わずに年率40%を超える。

 2004年より沖縄にて再生事業を開始する。同年に買収したサンマリーナホテルにおいて、成果主義を完全撤廃し、人間関係を最優先する独特の経営手法を開発・実行。10年以上に亘って実質的な赤字企業だったサンマリーナを、1年足らずで経常利益1.3億円、キャッシュフロー2.3億円の高収益企業に再生。2006年より事業再生の専業会社トリニティ株式会社を設立。代表取締役社長(現任)。

 日本銀行主催事業再生研究会、内閣府主催金融人財育成講座などで講師を務めるほか、全国の有名企業から招聘される。社会を生態系と捉える独特の地域再生論、人間関係を最優先する愛の経営論、破天荒な経営実務と破格な実績を分かり易く伝える講演は、「目から鱗」と人気が高い。2009年3月より那覇市内にて「次世代金融講座」を主催し、沖縄の著名事業家・実務家・政財界の若手リーダーのみならず、遠路本土からも多数の受講者を集めている。2009年度沖縄県行政改革懇話会専門委員、沖縄経済同友会常任幹事。

愛の経営

 売上目標がない! 研修制度は全廃! 顧客満足度も目指さない。上司の唯一の仕事は「部下の役に立つこと」。社長は1ヶ月間他の仕事をせずに、250人の全従業員と一人30分の面接、時には、厨房で一日中仕込みのアルバイト。人間関係が何よりも(仕事よりも!)優先され、成果収益主義の一切が組織から消えた。全ての従業員の給与・昇給・昇格・役職を決めるのは、「人間的な成長」、「どれだけ人の役に立ったか」の二項目だけ。夫婦喧嘩が遅刻の理由として認められ、「自分の好きなことだけをして下さい」と全従業員に明言する企業が、かつて沖縄に存在した。

 恩納村の老舗リゾート、サンマリーナホテルを取得し経営を引きついだ樋口は、ウォール街仕込みの熱血経営を始めるが、沖縄の従業員にしてみれば、オーナーが変わるたびに本土からやって来る、毎度のナイチャー経営者。やがて、組織から完全に浮き上がったバカ殿社長が、それまでの経営方針と自分の生き方を完全に覆し、資本主義の常識と正反対の経営を試みる。「企業は人間関係」と定義し、思いやりを事業の手段ではなく、目的にするために、東京本社には内緒で、利益目標、人事の成果主義・能力主義を完全に廃し、「いま、愛なら何をするだろうか?」を企業理念かつ唯一の目的に。

 直後から、顧客満足度が爆発的に上昇し、旅行代理店からは、「最近のサンマリーナはいったい何をしたんですか?」と問い合わせが続き、熱狂した地元住民は手塩にかけて育てた花木をホテルに持ち込む。10年以上実質的に赤字経営だったサンマリーナが、僅が1年足らずで経常利益1.3億円、営業キャッシュフロー2.3億円の超優良会社へと変容した。そして、成功しすぎて、僅か2年で倍の価格で売却される。

研究対象

 私たちは、月曜日が待ち遠しい社会を実現できるだろうか?自分に嘘をつかずに経営は成立するだろうか?恐れなく働く人生は可能だろうか?人間関係を最優先しながら収益を上げ続けることができるだろうか?

 社会を良くするということは、社会を幸福にするという意味だと思う。社会を幸福にするために、いかに人を幸福にし、自分が幸福であるかが、私の最大の研究テーマだ。最も幸福な大学は、最も幸福な学生を育て、幸福な社会を実現する。学生と教職員が幸福であれば、大学経営の大半の問題は消滅する。沖縄大学をいかに幸福な大学として再生するか、沖縄からいかに幸福な企業を生み出すかが目下最大の関心ごとである。