木村 英紀

教員紹介

人文学部 国際コミュニケーション学科

木村 英紀 (KIMURA Hideki)

所 属人文学部国際コミュニケーション学科
専 攻イギリス文学
学位(発行機関)語学修士:東京外国語大学大学院
生年等1954 年
研究活動

 私の研究対象は、イギリス文学の中でも、特に18、19 世紀の小説である。もちろん、現代小説を研究対象としていないわけではない。初めて「論文」らしきものを書いたのはGeorge Orwell についてだったが、それは1 年間悪戦苦闘しながら卒業論文にまとめた時だった。それ以来、オーウェルや1930 年代の作家や詩人、また第二次大戦後のいわゆるネオ・ピカレスク小説と呼ばれている作品群にも関心を抱き続けている。18 世紀の小説の中では、特に近代小説が誕生した1740 年代前後の作家や作品に特に関心があり、Daniel Defoe、Henry Fielding、Tobias George Smollett などの作家たちが近代小説を生み出す過程で、16 世紀スペインに生まれたピカレスクという古い小説形式を用いた背景とその形式の文学史的な意義について考えている。近年、最も関心を持っているのは、Charles Dickens を中心とする19 世紀の小説である。言うまでもなく、19 世紀は小説の世紀と言われるほど、多くの小説家が登場し、万巻の小説が出版された。19 世紀という時代は大英帝国の最盛期でありながら、イギリス国内ではさまざまな社会的矛盾を抱えていた時代でもあったので、ヴィクトリア女王の下で繁栄を謳歌した社会状況の中でも人間と社会の問題はそれだけ深みと広がりを持ち、現代にも通じるような問題が数多くあった。そういう中で書かれた作品で今なお読まれ続けている作品は、「古典」であると同時に現代に通じる普遍性を持っていると言える。また、小説形式の破壊と創造という点からは、20 世紀前半に活躍したJamesJoyce というアイルランド出身の作家にも関心を向けている。いずれにしても浅学非才の身である私にとって、「研究」や「論文」などというのは無謀とも思えるような試みであるが、亀のごとき歩みであっても止まることはしないようにと思っている。

教育活動

 1998 年に沖縄大学短期大学部英語科(当時)に赴任して以来、主としてイギリス文学や、英米文学史、翻訳の技法、基礎的な英語科目などを教えてきた。1999年に人文学部国際コミュニケーション学科が設置されて以降も基本的にはそれは変わらない。現在の担当科目は、「イギリス文学Ⅰ・Ⅱ」「英語翻訳技法」「文学入門」「問題発見演習」「基礎演習」「専門演習abcd(読解力養成及び英米文学)」「Basic EnglishⅠ、Ⅱ」である。 教員としてもあまり有能でないことは自他共に認めるところであるが、私としては、つたない授業ではあっても、学生に対して精一杯誠実に向き合うことだけは自らの本務として努めてきたつもりであり、これからもそうあり続けるつもりである。

所属学会

日本英文学会、ディケンズ・フェロウシップ日本支部、日本ギャスケル協会、沖縄外国文学会

学内活動

校務は、通常の各種委員会の仕事は除いて、おおむね以下のようなことをしてきた。1990年度英語科学科長、97ー98 年度英語科学科長、99 年度国際コミュニケーション学科学科長。なお、96 年度以降、短大の4 年制への改組転換=人文学部の設置の作業に精力的に関わった。2004―2006 年度には桜井学長の下で教務部長として、学務に関する責任者として大学運営の一翼を担った。その中で、大学院現代沖縄研究科の設立やこども文化学科の設立、一部・二部の統合については特に力を傾けた。2010-12年度の3年間、人文学部長・沖縄大学理事を務め、中長期経営計画策定や自己点検評価報告書の作成、学部内ハラスメント問題の解決及び再発防止などに尽力した。

著作・論文

"A Study of the 18th ー century EnglishPicaresque Novel"(1988)

「 逸脱、そして成長と愛ー Great Expectations 論」(1992)

“A Study of George Orwell’s Early Novels” (1998)

「 物象化と聖性の劇化ー Oliver Twist 論」(2002)

「”A Little Cloud”論―憂愁という名の牢獄」(2007) など。