藤澤 宜広

教員紹介

法経学部 法経学科

藤澤 宜広 (FUJISAWA Nobuhiro)

所 属法経学部法経学科
専 攻財政学、公共経済学
学位(発行機関)京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 京都大学博士(経済学)
研究活動

 現在,地域貿易協定(RTA)に関して国際経済学,公共選択論,政治経済学の諸研究のレビューをおこなっています。これは,近年,RTAの締結数が急増する中で,個別の協定を決定する要因を明確にするためです。とりわけ,産業構造の違いや規模の経済,利益集団の存在といった国内ミクロ要因に関するレビューは,WTO交渉の行き詰まりや他地域におけるRTAの存在,軍事同盟の存在などの国際要因,失業率や為替レートといった国内マクロ要因に加え,各国のRTAの締結状況や締結に向けた交渉過程にどのように影響するかを分析する基盤であるため,今後の研究に必要不可欠なものとなっています。

 これまで,RTAを国際公共財の自発的供給問題という視点から捉え,ゲーム論的な状況の下で,2国間の生産構造の違いが経済厚生や国際公共財への供給態度に及ぼす影響を分析してきました。また,国際貿易論の視点から独占的競争モデルを用いてRTAが経済厚生にもたらす影響およびRTAの最適規模を分析しました。なお,公共財の自発的供給問題については,微分ゲームを用いた動学的な考察を行い,情報構造の違いが経済厚生や経済成長にもたらす影響を分析しました。

 しかしながら,従前の研究は,代表的個人を想定した上でRTAについて理論分析したものであるため,経済主体の多様性を描写するのには十分であるとはいえません。ゆえに,さまざまな国内ミクロ要因が具体的な交渉過程やその帰結に及ぼす影響を理論・実証分析することで,より発展的な研究を可能にすると同時に,より頑健な研究成果が見込まれると考えています。

教育活動

 経済学入門,公共経済学,財政学,時事経済英語、ゼミ等を担当しています。上に挙げた講義やゼミでは,なるべく多くの身近な例を使って,需要と供給,価格メカニズム,市場の役割,政府の経済活動などの基本的な概念を解説し,最終的には現実の経済問題を「経済学の考え方」に基づいて解決する力を皆さんに身につけて頂くことを目標としています。試行錯誤があると思いますが,学生の皆さんに受講してよかったと思って頂けるような講義・演習を心がけたいと思います。

所属学会

公共選択学会

著作・論文
  • ○「微分ゲームを用いた国際公共財の自発的供給問題」,吉田和男・藤澤宜広,『経済論叢』,第171巻(5・6月号),2003年。
  • ○「国際公共財の自発的供給と国際交渉」,藤澤宜広,『沖縄大学法経学部紀要』,第5号,2005年。
  • ○「社会的共通資本としての地域貿易協定」,藤澤宜広,『沖縄大学法経学部紀要』,第5号,2005年。
  • ○「所得分配と租税,社会保障政策」,藤澤宜広,西垣泰幸編著『公共経済学入門』,第6章(第1節及び第2節を担当),八千代出版,2003年。
  • ○「公共選択と政治過程」,藤澤宜広,西垣泰幸編著『公共経済学入門』,第7章,八千代出版,2003年。
  • ○「政府の失敗」,藤澤宜広,西垣泰幸編著『公共経済学入門』,第8章,八千代出版,2003年。
翻訳
  • ○「イントロダクション」,藤澤宜広、クルーグマン/オブストフェルド『国際経済学』(吉田和男監訳),第1章,エコノミスト社,2002年。